医療安全管理指針

ssn001.jpg

基本理念

医療機関は、医療事故の発生・再発を防止することで患者の安全と医療の質の確保を図らなければならない。
本指針は、次のとおりの基本的な考え方に基づいて医療従事者の個人レベルの対策と、病院全体の組織的な対策を推進することによって事故を防止し、患者が安心して安全な医療を受けられる環境を整備することを目標とする。

■個人および組織として、絶対に事故は起こさないという自覚・意識を持つ。
■「それでも人間はエラーをおかす」という前提に基づいて、個人及び組織的なチェック体制を整備する。
■医療を受ける側、患者・関係者に対するインフォームドコンセントの重要性を認識する。患者側との良好なコミュニケーションと信頼関係の保持に努める。
■事故等が発生した場合は、当事者や当該部署が個々の判断のみで行動するのではなく、病院として組織的に対応する。

用語の定義

本指針で使用する主な用語の定義は、以下のとおりとする。

1.インシデント(ひやりはっと)

患者に被害を及ぼしていない事例

■間違いを未然に防ぐことができ、実施されなかった。
■間違いが実施されたが、影響はなかった。
※対象者は、患者・家族・面会者・病院職員も含まれる。

2.アクシデント

医療に係る場所で、医療の全過程において発生する全ての人身事故で、以下の場合を含む。なお、医療従事者の過誤・過失の有無を問わない。

■患者の死亡・生命の危機、病状の悪化などの身体的被害や苦痛、または不安など精神的被害が生じた場合。
■医療行為とは直接関係ないが、患者に何らかの障害を与えた場合。
 (例:廊下での転倒・盗難など)
■患者・家族・病院職員に発生した障害。

3.合併症

医療行為を行うことによって発生した好ましくない副次的結果。疾患に伴って起こった他の疾患(余病)。
※予測された結果であった場合や、事前説明がされていた場合も含む。

4.職員

当院の業務に従事する医師、看護師、薬剤師、検査技師、事務職員等あらゆる職種を含む。医療安全管理に関しては、業務委託先会社等に所属して当院の業務に従事している者も含む。

5.担当副院長

医療安全管理を担当する副院長。医療安全対策委員会委員長となる。

6.医療安全管理者

当院全体の医療安全管理を中心的に担当する。医師、薬剤師または看護師のうちのいずれかの規定時間の研修を修了した者。専任として医療安全管理室に所属し、医療安全対策委員会およびセーフティマネージャー会議の構成員となる。

7.セーフティマネージャー

医療安全管理に係る所属部署の責任者として実務を担い、医療安全文化を醸成する。

8.薬品安全管理責任者

医薬品の安全使用のための責任者である。薬剤室長がその任にあたる。医療安全対策委員会の構成員となる。

9.医療機器安全管理責任者

医療安全管理室下部組織として運用。医療機器の安全使用のため、保守点検、職員教育を担う。医療安全管理室医療機器担当者がその任にあたる。医療安全対策委員会の構成員となる。

委員会、組織

1.医療安全管理室

医療安全対策委員会で決定された方針に基づいて、組織横断的に安全管理の中枢を担う病院長直属の組織。医療安全管理者が所属する。

2.医療安全対策委員会

安全管理の体制の確保および推進のため、各部門の責任者等と医療安全管理者、医薬品安全管理責任者及び医療機器安全管理責任者により構成し、主に安全管理に係る基本方針について審議し決定する。月1回の定例開催の他、必要に応じて臨時に開催する。この審議に院長は参加もしくは、この経過および結果等委員会の全容を病院長に報告する。

3.セーフティマネージャー会議

セーフティマネージャーと医療安全対策委員会委員長、医療安全管理室長、医療安全管理者により構成し、安全管理に係る実務的活動を行う。月1回の定例開催の他、必要に応じて臨時に開催する。

4.事故調査委員会

重大医療事故発生時等に、病院長が必要と認めたときに設置するもので、委員長および委員は、その都度病院長が委嘱する。事実経過を調査し、これに基づいて原因究明を行うとともに改善策を検討し、これらの経過および結果を病院長に報告する。

マニュアルの整備

■各部署に冊子として配備し、併せて学内電子カルテに掲載する。
■本指針およびマニュアルを要約し、携帯版にまとめて教職員個々に配布する。
■改訂は、1回/年の定期的点検時と必要が生じた時点に、医療安全管理室の管理のもとに行う。

職員研修

■安全管理のための基本的考え方および具体的方策を教職員に周知徹底する。これにより、個々の教職員の医療安全に対する意識、安全に業務を遂行するための知識・技能やチームの一員としての意識の向上等を図るために実施する。
■全体研修は、年2回以上開催する他、必要に応じて開催する。
(安全関連2回、薬剤関連1回、医療機器関連1回 感染防止関連2回)
■この他、状況により必要と判断した場合は、対象者、部署を限定して不定期に開催する。

報告制度

1.インシデント・アクシデントレポート

当該部署のセーフティマネージャーを経て医療安全管理室に提出する。
報告者は、その報告を理由とした不利益を受けることがないことを確認する。また、報告書の取り扱いに際しては、患者側と医療提供側双方の当事者の守秘に配慮する。

2.合併症等報告書

合併症であると判断した場合は、当該部署の判断に留めることなく、病院としての見解を定めるために、当該部署のセーフティマネージャーと所属長を経て医療安全管理室に提出する。

3.医療事故該当性チェック判断チェック票

全ての死亡患者に対して説明、記録義務の実施を報告する。

4.医薬品安全性情報報告書、医療機器安全性情報報告書

医薬品・医療用具等安全性情報報告制度に基づいて、厚生労働省医薬食品局安全対策課に報告する。

インシデント・アクシデントの診療記録記載

発生したインシデント・アクシデントの内容を診療記録に記載する。

医療事故等発生時の対応

■緊急処置を最優先し、患者の救命、症状回復・維持に全力を尽す。
■必要に応じて関係医療従事者を招集して対処する。発生部署のみでは対処が不可能な場合は病院組織のすべてを挙げて支援する。
■その後、速やかに所定の緊急報告を行う。
■同時に、患者・関係者に説明する。説明は、当該部署の可能な限り上位者やセーフティマネージャーを含む複数であたるものとし、その内容を診療記録に記載する。
■病院長は、必要に応じて事故調査委員会を設置する。
■公表は、医療事故等公表基準に基づいて行う。

患者からの相談への対応

■患者が安心して医療を受けられる環境を整え、患者ならびにその家族等からの相談や苦情に速やかに適切に応じるため、医療連携室に患者相談担当者をおいて患者相談業務を行う。 また、必要に応じて医療安全管理室担当者がその業務を担う。
■患者相談業務は患者サービスの向上、医療の安全確保を目的に患者等からの苦情や相談ならびにそれらに係わる情報を、当該診療科または当該部署と連絡をとり速やかに対応する。
■患者相談窓口の業務内容は、活動の趣旨および設置場所、対応時間等について、病院受付、病棟掲示板等における掲示や入院時の「入院のしおり」、病院ホームページ等を通じ、患者家族等に幅広く案内するよう努める。
■患者相談窓口の職員は、患者ならびに家族から相談されて知り得た秘密を厳守し、不利益が生じないよう配慮するものとする。

指針の閲覧および医療従事者と患者との情報共有

■医療を提供するにあたり、職員は患者・家族と情報を共有するよう努める。また、患者等からの本指針の閲覧の求めがあった場合には、速やかにこれに応じる。
■患者ならびにその家族等からの意見・相談については、サービス向上ボランティア委員会に諮り、その結果を病院のボードに掲示し、医療従事者と患者等に周知する。

指針の改訂

本指針の改訂は、医療安全対策委員会において行う。